バス出勤普及で渋滞緩和 社会実験で効果検証へ 内閣府

実験参加を呼びかける関係者(左から富川氏、島尻氏、安里氏)。実験の概要や効果などを表記するパネルは16日から19日まで県庁1階で、22日から26日までは総合事務局1階で展示される=15日、総合事務局

 沖縄総合事務局(能登靖局長)は15日、企業に社員の時差出勤やバス通勤を促し、交通渋滞の減少効果を検証する「わった~バス大実験」を開始した。同日午後には同局で開始式が開かれ、内閣府の島尻安伊子補佐官や富川盛武副知事らが実験の意義を強調した。
 多くの県民が通勤時にマイカーを利用するため、出勤や退勤の時間帯、那覇市を中心とした南部地域で深刻な渋滞が発生する。2014年度のデータでは、那覇市内の混雑時間帯には、多くの一般道で平均時速が20㌔未満。国は全国トップクラスの渋滞の激しさと指摘する。

 内閣府が昨年実施した社会実験には160社、1917人が参加し、約6割から実験中に行った通勤方法での出勤を「継続したい」「検討したい」との回答を得た。今回は実験期間を延ばし、企業だけでなく、那覇市や浦添市の商工会議所、大学にも参加を呼び掛けて規模を拡大。カーナビから得られる車の位置情報を収集しビックデータとして活用し、効果を検証する。
 自動車交通量の1割から2割の削減で、渋滞が1割から4割削減できると見込み、バスなどの公共交通機関の利用を促進させる。
 開始式で島尻氏は「渋滞解消の1つの鍵として、県民意識をマイカー利用から公共交通機関利用に変えていく必要がある」と述べた。
 経営者協会の安里昌利特別顧問は、週に1度はマイカー通勤をやめ、公共交通機関を利用するよう求め「企業経営者の意識を変えていくことが重要」と協力を求めた。

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