米基地内で初の研修会 小学教諭ら英語力向上図る 外務省沖縄事務所が企画

 県内小学校の教員を対象とした英語研修会が11月27、28の2日間、米軍嘉手納基地内にある嘉手納エレメンタリースクールで初めて開催された。小学校での英語の教科化に向け、教諭の英語力・英語指導力の向上が目的。同事務所が米国防省教育局の協力を得て、試験的に企画・実施した。同スクールで行われている授業を参観したり、基地内のフードコートで英語を体験したり、同スクールならではの体験ができるプログラム。研修開催前から「基地内で研修する必要性があるのか」などと批判する声が一部にあったが、「そこだからこそ得られる効果があった」「英語を使う力が向上した」などと関係者は評価した。

 今回の研修には、宜野湾市、沖縄市、嘉手納町の3教育委員会が参加した。宜野湾市教委が参加を決めた理由は、「『教員の英語力・英語指導力の向上』という研修の目的が、本市の課題と一致したから」。嘉手納町教委も同様に、「教員の英語力を伸ばすために参加を決めた」と述べる。
 基地内の同スクールで行われた研修は、両日ともに朝9時から午後3時まで。座学で指導法を学んだり、スクールの米国人教師の授業を参観したほか、米国人教師と英語で会話しながら行うゲームを体験。お昼には基地内のフードコートへ行き、昼食の1時間で5人に英語で話しかけるという課題に取り組んだ。
 英語が苦手な教員も参加したが、「自分のつたない英語でも通じることが分かり、自信が持てた」「英語の授業も失敗したってどうってことはない。前向きに英語を教えていこうという気持ちになれた」といった感想が出ており、教員の英語に対する意欲づけにつながっている。
 関係者からは、「アメリカ留学のような感覚だった。モチベーションは高かった」「米国防省教育局のプログラムがとても素晴らしかった」などのコメントがあった。
 同町教委は今回の研修について、「英語の『指導力向上』となると、学習指導要領と微妙に合致しないところもある。しかし、(教員が自ら)英語を『使う力』が付いた」と評価。「同じ研修が今後もあれば、参加したいという教員も出てきている」と明かした。

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