開会中の石垣市議会(平良秀之議長)12月定例会では25日の最終本会議で、公共施設の指定管理者を指定する4議案を継続審議とする見通しだ。指定管理者制度は、公共施設の運営に民間感覚を導入する取り組みとして定着。しかし近年はトラブルも散見され、チェックする議会の目も厳しさを増している。
市によると、現在、指定管理者制度を導入している公共施設は27施設。行政と民間事業者が共同で住民サービス向上や地域活性化に取り組む手法で、民間業者が公共施設を運営することで、民間の知恵、アイデア、資金、ノウハウを取り入れることができる。
指定管理者は庁内の選定委員会で選定されるほか、民間の委員を入れた外部評価委員会で運営実績などを評価される。
過去には指定業者の評価が芳しくなく、年度途中で運営から撤退するトラブルもあった。指定管理者の議案に対する市議会のチェックが厳格化される傾向にあるのは、そうした事情も影響している。
21日の市議会一般質問では砥板芳行氏との質疑で、大得英信企画部長が「委託を受けた民間事業者が本来の目的、趣旨に沿った運営ができているか厳しい指摘がされている」と認めた。
市議会12月定例会では、市家畜等処理センターを八重山食肉センターに、底地海水浴場と伊野田キャンプ場を合同会社バリュークリエイションに、米原キャンプ場と米原ヤシ群落駐車場を米原公民館に、それぞれ指定管理させる議案が、付託された各常任委員会で継続審議となった。
市議からは、指定管理者の候補となった団体の内部運営を疑問視する意見などが出た。「情報や資料が少な過ぎる」などと提案者の市当局に苦言を呈する声も上がった。
指定管理者を指定する議案が否決された場合、市がその公共施設を直接運営しなくてはならなくなるが、市に運営するスタッフやノウハウが不足していることを懸念する声もある。厳正な審査と、効率的な公共施設運営の両立が求められる難しい局面になっている。