県経済団体会議(石嶺伝一郎議長)は21日、県庁に富川盛武副知事を訪ね、沖縄国際航空貨物ハブの拡充支援の要請を行った。要請文では、国際物流ハブの成果で那覇空港の昨年の国際貨物取引量は、ハブ事業の開始前と比較し100倍以上になったと評価した。
県が掲げる21世紀ビジョン実施計画の2021年度の展望値40万トンの達成にはさらなる拡充が必要と指摘。官民一体の取り組みが不可欠とした。その上で➀国際貨物便などのネットワークの維持・拡大のための支援➁国際貨物上屋施設の有効活用・活性化のための支援➂沖縄発の国際貨物取扱量の増大に寄与する事業誘致への取り組みなど計3点を要請した。富川副知事は「課題があることは承知している。予算を含めて検討している」と意欲を見せた。
要請文では、2017年の那覇空港の国際貨物取引量は約17万㌧で、県産品の輸出航空貨物も生鮮食料品を中心に増加傾向であるとした。近年では、半導体製造装置などの工業製品の出荷も出てきているとし、多産業の海外展開に寄与していると評価した。
3点の要請で、国際航空運送業者への支援や、沖縄発の国際貨物取扱量増大を目的にした半導体やバイオ、医療機器などの高付加価値製造業などの事業誘致を進めるべきとしている。
富川氏は「バイオ特化医療機器も空港周辺で展開している」と述べ、臨空型産業が操業し始めたと指摘。石嶺氏は「(那覇空港の)第二滑走路の完成後の機能強化も進めて頂きたい」と要望。富川氏は「経済団体が出した案も含めて検討したい」と話し、次の沖縄振興計画にも関連し進めていくとした。