県は14日、県内各家庭の子どもの経済状況などを巡る2018年度小中学生調査の結果を公表した。世帯が自由に使える所得を示す等価可処分所得が122万円未満の「困窮層」の割合は25・0%となり、15年度の前回調査に比べ4・9ポイント改善した。ただ有識者からは「他県と比べ、実態は非常に厳しい」(大阪府立大学の山野則子教授)などと厳しい指摘が上がっている。
記者会見した子ども生活福祉部の大城玲子部長は「対策の効果は出ている」と強調した。調査は、2018年8月27日から同年9月14日まで小学5年と中学2年の子どもと小学1年、同5年、中学2年の親を対象に行われ、約1万1千人から有効回答を得た。調査は2回目。
2015年度の調査との比較では、全学年で困窮層が減少し、経済的に余裕のある子育て世代の割合が増えた。
子どもの居場所設置などの取り組みの結果、前回調査に比較すると、小学生の自己肯定感に改善が見られた。保護者の忙しさや家庭生活の余裕のなさが子どもの生活習慣に影響を及ぼす可能性がある。
玉城デニー知事は同日の定例記者会見で「依然として困窮率は高い割合で、子育て家庭の生活実態は大変厳しい状況にあることがうかがえる。すべての子どもたちが夢や希望を持って成長できる、誰一人取り残さなれない社会の実現を目指す」と語った。