「最低6カ月」優遇対象に 医師不足地域での勤務 偏在解消へ、厚労省案

 医師が都市部などに集中する偏在問題の解消に向け、厚生労働省は30日、優遇措置の条件となる「医師少数区域」での勤務期間を「1年以上が望ましいが最低6カ月」とする案を有識者検討会に示した。こうした地域での勤務経験がある医師を認定する制度を設け、地域医療を担う一部病院の管理者になる際の評価項目にする方針。
 医師少数区域については、都道府県が今後、人口規模や交通事情などを考慮し、都道府県内を複数のエリアに分けている「2次医療圏」ごとに設定する。

 医師が認定されるために必要な業務として、患者の生活背景を考慮し、継続的な診療をすることに加え、介護・福祉事業者との連携を図るための地域ケア会議などへの参加、地域住民の健康診査や保健指導を挙げた。
 大学医学部卒業後、臨床研修を終えて間もない3~9年目の若手には、能力向上のための環境整備が必要と指摘。10年目以降の医師は、少数区域にある複数の医療機関で勤務することも考えられ、累積した勤務日数が条件に達すれば、認定対象とすることも提案した。
 30日の検討会では、委員から「患者としては1年はいてほしい。6カ月とするにしても、見直しを前提とするべきだ」「少数区域内にも医師の不足度合いに濃淡がある。一番困っている地域に医師が本当に行くのか」との声が上がった。認定が管理者要件の対象となる医療機関の範囲を徐々に広げるべきだとの意見もあった。

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