「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票を一時拒否していた5市は、軒並み投票率が振るわなかった。特に「保守地盤」と言われる離島の宮古島、石垣では30~40%台と低迷した。米軍普天間飛行場の移設容認派には、あえて棄権する「消極的抵抗」の道を選んだ県民も目立った◆辺野古移設を巡っては、あたかも政府が美しい海を埋め立てて新基地建設を強行しているようなイメージが反対派やメディアを通じて流布され、県民に深い嫌悪感が根づいている。そうした中、反対派主導で実施される県民投票ともなれば「そもそも賛成や反対をフェアに議論できる状況か」と思うのも無理はない。辺野古移設問題で県民は大きく分断されてしまった◆辺野古移設を推進する政府は、宜野湾市民を含む国民の生命や財産に責任を負っている。投票結果を受けて移設作業を中断するなら、それこそ説明責任が問われる事態になってしまう◆宜野湾市民の危険除去を置き去りにしたまま「民意に向き合え」と叫ぶ反対派の声は、あまりにも底が浅いというものだ◆アンフェアな県民投票でアンフェアな結果が出た、と容認派の多くが受け止めていることも事実。投票の結果、県民の分断が修復されたとはとても思えない。