マラソン力向上に貢献 駅伝指導者で西田隆維氏 5年間の事業終える 石垣

八重高駅伝部などで市の競技力向上をサポートした西田隆維氏(前列左から3人目)と、王滝将弘監督(後列右端)、同部のメンバー=13日夕、市中央運動公園陸上競技場

 石垣市のジュニアアスリートの競技力と指導者の資質向上を推進する「いきいきスポーツ活動助成事業」の一環として、2014年度から行われてきた「駅伝指導者派遣事業」が13日、5年間の事業を終えた。指導者に選出されたのは、日本代表として01年のエドモントン世界選手権9位などの実績をもつ西田隆維氏(41)=東京都=で、八重山高校駅伝部(現在部員12人)を中心に指導に当たり、その実力と人格で生徒の技術力と主体性を伸ばし、部の成績向上に貢献した。

 同派遣事業は、トップレベルの指導者を招聘することで、▽市内の中学、高校生の競技力を県大会上位入賞レベルまで向上▽中高生の島外・県外の流出の防止▽市内の監督、顧問の資質向上▽気候に合った練習方法の確立―を目指すもの。18年度は昨年5月から毎月1度、2泊3日のペースで計10回実施された。
 かつては駅伝メンバーの確保にも苦労した同部は、西田氏と、就任して6年となる王滝将弘監督(28)の指導により全体的にタイムが上がり、昨年は県高校駅伝大会(男子)で5位、新人駅伝(男子)で6位の成績を残した。
 西田氏は「何か行動を起こす時、気持ちの乗りかたが大切。伸びるポイントを具体的に伝えながら、気持ちが乗れるような言葉掛けを意識した」と振り返る。「生徒が自分で考え、自分の足りないものを見つけて質問してくるようになるとうれしい。腕の振り方1つとっても、より上手になる方法がある。僕はそれを提案しているだけ。あとは王滝監督の指導の賜物」と述べた。
 王滝監督は西田さんの指導に対し、「生徒との距離の取り方が上手。生徒は教えてもらっている指導者の実力に気付いてくると、競技への姿勢が変わる」と強調。「西田さんが指導するようになってから卒業後にも競技を続ける子が増えてきた。走ること自体を好きになってくれているのだと思う」と強調した。
 3月で八重校を卒業した東蔵盛幹斗(まさと)君(18)は、実力者からのアドバイスが安心感を与えてくれることに触れつつ、「西田さんは身体の鍛え方やフォームの確認などで、とても細かいところまで見てくださった」と述べ、「高2の時の石垣島マラソンで西田さんと一緒に走れたことは大切な思い出」と楽しそうに話した。
 東蔵盛君は大阪の大学に進学するが、「来年の石垣島マラソンでは、今年1月の借りを返す」と、1秒差で2位となった10㌔へのリベンジを誓った。

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