新元号「令和」が発表され、石垣市の各所では驚きの声と〝新時代到来〟への期待感であふれた。今後、5月1日の改元までの1カ月間、各自治体などで「平成」から「令和」への切り替え準備作業が行われる。
■まちづくりに決意
1日午前11時30分ごろの新元号発表を前に、市役所では臨時庁議の時間を割いて中山義隆市長や部長級らの職員が大型テレビの前で発表を見守った。
午前11時40分ごろ、インターネットテレビ回線の不具合もあり急きょ、テレビを市長室に移して視聴を再開。菅義偉官房長官の発表を無事見届けた。
新元号について中山市長は「万葉集という国書から使うのは初めて。国民全体が平和に暮らせるような、柔らかいイメージを受けた」と感想。「石垣市もますます発展し、幸せを感じられ、皆が和めるようなまちづくりをしていく」と決意を新たにした。
■「新たな時代に」
午後、市役所を訪れた水落美帆さん(29)=登野城在=は、平成元年生まれ。新元号を知って「新しい時代が始まるのだなと思った」と感慨深く語る。
自身が平成生まれということで、「平成なんだ」と周りから言われることも多かったという。「始まりの年はなかなかない。良い平成で終われそう」と、ひとつの時代を振り返った。
長男(3)と長女(0)も含め、家族全員が平成生まれ。次世代を担う子どもたちに対しては、「今後も災害などは起こると思う。たくましく生きてほしい」と願った。
同じく市役所を訪れた西表全剛さん(53)=大浜在=は、「平和の『和』があるので良い元号だと思った」と所感を述べる。今後訪れる令和の時代について「せわしくない、落ち着いた世界、日本、沖縄になってほしい」と期待を込めた。
■「令和」移行
「令和」の発表で改元まで1カ月を切った。各自治体では、改元に向けた作業が行われる。
石垣市総務部では3月29日付で、公務の統一的な事務処理を行うため、改元に伴う文書の取り扱いを各部課へ通知した。このうち、改元期日の5月1日以後の公文書などに使用する年号の呼び名は、「令和元年」。4月1日から来年3月末までの会計年度の呼び名は「令和元年度」となる。
また、市の条例や規則で記されている「平成」などの文言は必要な場合、適宜改正していく方針。
中山義隆市長は、「4月30日までは平成が続く。元号が変わる5月以降、トラブルがないよう、システムの見直しを徹底する」と、スムーズな「令和」移行を約束した。