県は19日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府に緊急事態宣言の対象に追加するよう要請した。この日は203人の感染を発表し、過去最多だった18日の168人を更新。医療機関の逼迫(ひっぱく)が深刻化している。
国は週末に分科会などを開催し、沖縄を対象地域に指定するか決定する。対象地域に指定された場合、県は県民に対し、午後8時以降の不要不急の外出自粛や感染対策が行われていない飲食店の利用自粛などを求める。
また「まん延防止等重点措置」で時短要請の対象となっていた飲食店のうち、酒やカラオケを提供する店に対しては時短要請が休業要請に切り替わる。それ以外の飲食店は午後8時までの時短要請になる。
県は「重点措置」で求めた時短要請に応じない沖縄本島の十数店舗に対し、週明けに行政命令を出し、店名も公表する。時短要請に応じていない店は利用しないよう県民に求める。
謝花喜一郎副知事は19日の記者会見で、緊急事態宣言が適用された場合の期間に関し、5月末より長くする必要があるとの考えを示した。重点措置が5月末までであることに関し「(期間内に)この状況が収まるとは想定できない」と指摘した。「今までに経験したことがない危機」と強調した。
県民や観光客に対し①不要不急の外出自粛②混雑する場所を避ける③不要不急の来県自粛④県外からの来県の際は出発地でのPCR検査受検⑤来県した場合でも県民との会食は避ける―よう求めた。
県は来週にも県議会を招集し、事業者への支援策を論議する。
飲食店に対する酒類の提供自粛要請について、謝花氏は「経済団体からの反対が大きいため行わない」と説明した。
現在、県内16市町が「まん延防止等重点措置」の対象だが、大型連休後に感染が急拡大し、15日までの発表は5日連続で100人超だった。
玉城デニー知事は19日、東京都内での取材に「県内ほぼ全域で感染が拡大し、変異株への置き換わりも非常に速い」と指摘。「医療提供態勢は危機的状況だ」とのコメントも出した。