市の優遇策が後押し 本土から移住、働く親支える レッツ 島の保育士㊤

本土から移住し、石垣市で保育士として勤務する桃原智穂さん(左)と藤田友美さん=4日午後、にしのもり保育園

 保育士不足に悩む石垣市で、島外から移住した保育士たちが奮闘している。市が保育士誘致のため打ち出した渡航費補助などの優遇策に後押しされ、来島を決意。保育施設で日々、子どもたちと触れ合い、島で働く親たちの子育てを支える。「少しずつ地域になじみながら、楽しく頑張りたい」と意気込んでいる。

 にしのもり保育園(石垣市新川、池田哲子園長)で働く藤田友美さん(45)は岐阜県出身。短大卒業後、岐阜や大阪で保育士として20年近い経験を積んできた。夫とともに何度か八重山を訪れていたが、夫が移住を希望したことを機に「2人で八重山に来たい」と決心。保育士を募集する市の優遇策が「背中を押してくれた」と振り返る。
 八重山の伝統文化が好きで、三線も弾く。保育園では子どもたちと民謡の「月ぬ美(かい)しゃ」を歌うこともある。「子どもたちには、八重山や石垣島の文化に誇りを持つ大人に育ってほしい」と期待した。
 宮崎県出身の桃原智穂さん(33)も、同園で働く。宮崎の短大を卒業後、鹿児島県の保育施設で11年勤務した。石垣市が保育士を募集していることを知り、2年前に初めて島を訪問。その際に出会った地元男性との結婚を機に移住した。石垣島というと都会からかけ離れたイメージがあったが、意外に店も多く「思ったより便利」と感じた。
 保育園では、豊年祭などの地域行事を取り入れた保育が独特だと感じる。自身も7月には初の出産を控える。「親元から遠く離れて不安もあったが、ここは海も近いし山にも行けるし、子育てにはいい環境だと思う」と笑顔を見せた。
 同園には0~5歳児まで97人の園児がおり、21人の保育士が勤務しているが、うち11人が市の優遇策を活用して島外からIターン、Uターンしている。池田園長は「ゆとりがある保育をするため、もっと保育士を増やしたい」と話した。     (仲新城誠)
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 待機児童解消を目指す石垣市だが、保育士不足のため定員に達しない保育施設も複数ある。市は島外から移住する保育士に対し、県外50万円、県内40万円の補助金を支給。保育士の子どもが公立保育施設や認可保育園に入所する際は、入所選考の際に優先するなどの優遇策を打ち出している。保育士の資格を持つが、現在働いていない「潜在保育士」の再就職の際にも40万円の補助金を支給するなどの優遇策がある。問い合わせは市子ども未来局子育て支援課℡0980・82・1704。

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