宮古島の陸自駐屯地を7日、初めて視察した岩屋毅防衛相。式典で隊員に訓示したが、その最中、フェンスの外に集結した陸自配備反対派が大声で罵声を浴びせ、厳粛な雰囲気を乱した◆反対派に抗議の「口実」を与えたのは、防衛省が地元に十分説明しないまま、迫撃砲弾などを駐屯地内に保管していたとされる問題だ。住民を軽視したような防衛省の対応には弁解の余地がないとはいえ、反対派の一方的な非難にも疑問を感じる◆軍事機密は別として、防衛省が駐屯地内の装備を公表しているのは、日本が民主主義社会であり、住民への情報公開を官民ともに重視しているからだ。今回の問題が明るみになったことは、陸自配備計画が透明性をもって進められていることの裏返しでもある◆沖縄周辺に迫る近隣の軍事大国は、基地や軍用機、艦船などの詳細を一切公表せず、問答無用で押し入ってくる。こうした国から自由な社会を守るための陸自配備であることを、反対派にも理解してほしい◆防衛相の視察現場に居合わせた民間の関係者は、訓示中に浴びせられた罵声に「隊員の子どもたちも聞いている。反対の意思表示をするなとは言わないが、式典の間は自粛してほしかった」と残念がる。自由な社会だからこそ、最低限のマナーが必要だ。