【視点】「令和」にふさわしい憲法像は

 72年間で国内外の情勢は大きく変化したが、憲法は一言一句たりとも変わっていない。憲法とはそもそも頻繁に改正されるべきものではないとも言えるが、いわば耐用年数が切れた部品も修理されないまま「令和」に突入してしまった感もある。3日の憲法記念日に当たり、新時代にふさわしい憲法像を模索し「沖縄こそ改憲を必要としている」というメッセージを発信したい。
 改憲で最も議論になるのは戦争放棄と戦力の不保持を定めた9条のあり方である。
 沖縄にとって9条が存在することのデメリットは深刻だ。日本が自国の防衛をほぼ米国に依存する体制になったため、沖縄が膨大な米軍基地をほぼ一手に引き受けざるを得なくなった。
 一方、沖縄戦と米軍統治の悲惨な経験から、県民の間では他国の軍隊が駐留することに対する反発が根強い。沖縄の悲劇の根源は、日本が自国を自力で守れないという国のあり方にあると言っていい。
 平和と豊かさを次世代に引き継ぐには、安全保障の確立が大前提であり、世界最強の軍隊を持つ米国との同盟は、今後も日本の安全保障の礎になっていくだろう。ただ沖縄にある米軍基地の整理縮小を進めるためには、日本が自衛隊の役割を拡大し、自国の安全にしっかりと責任を持つことが不可欠だ。
 9条改正で自衛隊の存在を明確化することはその第一歩であり、将来的には、9条改正が沖縄の基地問題解決に向けた道標にもなっていくはずだ。
 沖縄から発信できる改憲の提案としては、美しい自然景観を享受する権利としての「環境権」や「景観権」の検討が挙げられるかも知れない。

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