國吉は「金のために作らず」 丹尾氏、陶芸家の作品語る

國吉清尚について語る丹尾氏=11日午後、石垣市立図書館

 石垣市内で開催中の陶芸家・國吉清尚(1943~99)=那覇市出身=の没後20年回顧展に合わせ、國吉の研究者でもある早稲田大文学学術院教授の丹尾安典氏が11日、國吉の「陶器が語ること」をテーマに石垣市立図書館で記念講演した。
 生前の國吉が、自作の陶器から水が漏れていることを指摘され「あ、そう。漏れた」とこともなげに答えたエピソードを紹介。
 その上で「國吉は、自分の陶器を日常の実用品とは考えていなかった。普通なら不良品とみなされるものの良さを、しみじみ感じる人もいる。単純に金を稼ぎたくて作品を作っているわけではない」と、國吉の芸術の本質を突いた。
 多くの人が証言する國吉の繊細な性格が、作品にも表現されているとの見方を示した。
 國吉に関する論文などを執筆し、遺族とも親交が深い。國吉の研究を始めたきっかけは、沖縄旅行に行った知人から作品を見せられ、感動したことだった。既に國吉は他界していたが、当時は國吉に関する資料がほとんどなく「こういう作家がどう生きて、どういう作品を残したか、記述して残しておく必要があると思った」と振り返った。
 会場では、生前の國吉の貴重な映像も流された。
 回顧展は26日まで、八重山博物館で開催されている。時間は午前9時から午後5時まで(月曜は休館日)。

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