災害想定し徒歩訓練 隊員ら16㌔往復、支援物資輸送 石垣駐屯地

出発した訓練隊員たち。反対派の女性(奥)が立ち、抗議した=24日午前6時、石垣駐屯地

 陸上自衛隊石垣駐屯地は24日、災害で市内の道路が寸断された状況を想定し、物資輸送訓練を徒歩で実施した。40代から20代前半の隊員約30人と支援員10人が参加。駐屯地を出発後、県道87号線の歩道を歩き中央運動公園の屋内練習場に到着。物資を降ろしたあと、同じルートで駐屯地に戻った。約16㌔の道のりを5時間ほどかけて往復した。同駐屯地が施設外で徒歩訓練を行ったのは初めて。

 石垣市は明和の大津波が起こった4月24日を市民防災の日に設定しており、28日には防災フェアも実施予定。市民に防災意識の高揚を図る。石垣駐屯地の徒歩行進も市民防災の日に合わせて行われた。
 参加者は駐屯地の各部隊から選抜された若い隊員が多く、糧食(レトルト食品)を3日分9食、2㍑のペットボトル2本、約15㌔の食料を背のう(リュックサック)に入れた。時おり雨が降る中、隊列を組んで87号線を南下。途中2回の休憩を取り、午前8時半ころに屋内練習場に到着した。
 到着後は、訓練隊の千久和将一隊長(45)の指示で背のうから糧食を取り出し、避難所として設定された練習場の職員に渡した。午前9時まで休憩し、終了後、駐屯地を目指し再び歩き出し、11時11分に帰還した。
 関係者によると地元出身者3人以外は島外出身。訓練は石垣島の亜熱帯気候や起伏がある路上に慣れる目的もある。
 元日の能登半島地震では、道路が寸断され崩落した道を陸自隊員が食糧や燃料を持って移動し、被災者まで届けた。
 千久和隊長は練習場に到着後、報道陣の取材に応じ「実際の災害現場では、今回よりも厳しい気象条件になる。(24日の)天候は雨だったので、効果の高い訓練ができた」と説明した。
 今後、石垣駐屯地は同様の訓練をバンナ岳を超える別ルートを使って行うか検討する予定。陸自は戦闘を想定した部隊の移動を災害派遣時にも応用する。
 訓練を見守るため、八重山防衛協会などの支援団体や、自衛隊宿舎に住む隊員家族、非番の隊員が沿道に立ち、訓練隊員たちを激励。一方、反対派の市民や活動家が周辺で抗議した。

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