本島北部の自然ガイドに認定証 世界遺産登録へ環境保全期待

認定証を交付する棚原部長(左)と受ける中根氏=13日、県庁

 県は13日、世界自然遺産の推薦地となっている沖縄本島北部でエコツアーを実施している「やんばるエコツーリズム研究所」と自然環境の保全利用協定を締結し、認定証を交付した。同研究所は国頭村にある伊部岳の山道で自然ガイドを行っており、協定には、環境保護への取り組みや利用客の安全管理、地域への配慮などを盛り込んだ。
 県庁で棚原憲実環境部長から認定書を受けた中根忍代表は「持続可能なエコツーリズムを推進する。やんばる三村だけでなく西表島も含め、事業者が活用したい地域は、すべて保全利用協定の網をかける考え方があってよい」と指摘した。
 同研究所は、国頭村の伊部岳にある樹齢300年を越える「オキナワウラジロガシ」までのルートで自然ガイドを行っている。協定ではガイドの回数や参加人数などを制限。年2回程度の独自のモニタリングも実施し、環境保全に努めている。
 棚原部長は世界遺産推薦に向け「観光地のオーバーツーリズムが懸念される中、今後の活躍に期待したい」と述べた。
 中根代表はガイドを行っている際、無断で国有林に入ろうとするツアー客などを目撃した。家族連れの観光客が森の新芽を荒らした例もあるとして、自然環境の保全設備の設置を求めた。
 妻の日登美さんは、本島北部に生息するヤンバルクイナについて、周辺地域を走る道路の速度を落とすよう周知徹底したことで「事故は減っている」と紹介。同じ世界遺産推薦地である西表島でイリオモテヤマネコの事故が多発している現状を危ぐし、生息域の周知強化を訴えた。
 沖縄振興特別措置法では、沖縄で環境保全型自然体験活動の案内などを業務とする者が自然環境の保全利用協定を締結し、同協定が適当であるとする知事の認定を受けることができる。

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