中国に油断してきた国際社会 知事発言は「融和政策」そのもの

 沖縄は近年、保守、革新に関係なく、中国の行動に対して非常に寛大で、尖閣周辺での行動も含め、黙認する傾向がある。保守の仲井真弘多元知事も、どちらかと言うと、そうだった。翁長雄志前知事は特にそうだ。私は「どこの国の知事か」と疑問を持っていた。中国を何度も訪問しながら、中国公船の尖閣周辺での領海侵入に抗議しなかった。その延長線上に現在がある。
 ご覧になった読者もいると思うが2016年1月26日に放送されたフジテレビの「プライムニュース」に出演した際、私は糸数慶子参院議員に「翁長知事に会ったら、中国の高官に面会する際、尖閣諸島は日本の固有領土だと明言してほしい」と言った。
 糸数氏は「知事はそう言っていますよ」と返事したが、小野寺五典元防衛大臣と共に改めて私がただすと「していると思う」と発言を弱めた。「先ほど渡した名刺の連絡先に、証拠を送って下さい」と生放送で頼んだが、その後、連絡はなかった。
 現在、漁業者が尖閣諸島周辺で自由に行動できなくなっている。本来なら県は、中国が尖閣に対してやっている行為をやめさせ、中国に対し「国際社会で責任を持てる国になってほしい」と言うべきだ。それが沖縄の県益や、八重山、宮古といった離島住民を守ることになる。
 私の著書「尖閣問題の起源」でも言及したが、47年前、沖縄が返還された当時、県内の政治家は保革を問わず、尖閣を守ることを一生懸命考えていた。しかし今、あの姿はどこに行ったのだろう。
 この無責任な姿勢がこれ以上続ければ、47年後には既に尖閣諸島だけではなく、沖縄そのものが奪われているだろう。(談)

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