中国に油断してきた国際社会 知事発言は「融和政策」そのもの

ロバート・D・エルドリッヂ

 尖閣諸島で領海侵入を繰り返す中国公船に関し、玉城デニー知事が「中国公船がパトロールしているので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と述べた。八重山日報社は4日までに、日本政府に対し、尖閣諸島の実効支配の強化を提言してきた元米国海兵隊太平洋基地政務外交部次長で、大阪大学大学院国際公共政策研究科の准教授でもあったロバート・D・エルドリッヂ氏に、知事発言の受け止めを聞いた。
 知事の発言は、中国が大喜びし、期待する融和政策そのものだ。知事には、もう少し歴史、特に国際政治史を勉強してほしい。
 中国は、自らの意図を公に明らかにする国だ。既に「尖閣は中国のもの」「沖縄は中国のもの」と表明してきた。中国は南シナ海で急速に実効支配と軍事化を進めているが、少なくとも90年代初期ごろからその意図を公言してきた。「中国を刺激してはいけない」としてきた米国を含めて国際社会は危険なほど油断してきたのだ。このままでは尖閣諸島を含む東シナ海も同じことになる。甘く見るべきではない。

 県は石垣市とともに、尖閣諸島を守らないといけない立場でもあるはず。知事がどういう意図でこうした発言をしているのか、非常に気になる。
 石垣市が先頭に立って頑張っているのに、県は協力するどころか、中国の違法行動や、基地反対運動の活動家の違法行動を黙認している。両問題に対して、県の姿勢が怪しいほど似ている。

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