【視点】いたちごっこの待機児童問題

 待機児童解消に向け、各自治体は認可保育施設の増設や定員拡大などに取り組んでいるが、いたちごっこの状況が続いている。県が発表した今年4月1日現在の待機児童数は1702人で、前年度より168人減少したものの、依然「ゼロ」にはほど遠い。
 県内の自治体で待機児童数が百人を超えているのは、那覇市250人、南風原町208人、沖縄市198人、南城市145人。先島は石垣市55人、宮古島市12人となっており、県内市でゼロを達成した自治体はない。那覇市、石垣市、浦添市、名護市などは前年度に比べ、待機児童数は増加した。
 待機児童が解消できないのは、認可保育施設の定員を拡大しても、入園申し込み数が増加を続けているからだ。認可保育施設の定員総数は6万380人で、前年度に比べ4257人増加したが、申し込み数は6万712人で、前年度を3288人上回り、初めて6万人を突破した。
 かつての「夫は仕事、妻は家庭」という価値観は崩壊し、女性の社会進出が進む。特に沖縄のように全国的にも所得が低い地域では、夫婦が共働きしないと生活が成り立たない世帯も多い。核家族化と少子化の進行で、親が仕事に出ている間、子どもを見てくれる祖父母や兄、姉などもいなくなった。保育需要が高まるのは当然の流れだ。

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