23日の沖縄全戦没者追悼式では、昨年と同様、安倍晋三首相へのやじが相次ぎ、会場は一時騒然となった。参列者の一部からは「うそつけ」「海を殺すな」「辺野古を止めろ」「安倍は辞めろ」など、国が進める米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対するやじが飛んだ。主催者側は開会前に会場アナウンスを行い、やじの防止を呼び掛けたが効果がなく、参列者のマナー低下を印象付けた。
首相が「沖縄の振興をしっかり前に進める」と述べた際は、参列席後方から「辞めてくれー」とやじがあり、参列者の一部は笑い声を上げた。
首相へのやじは、あいさつが進むとエスカレートした。
首相は、沖縄には米軍基地が集中し、県民は大きな負担を担っていると指摘。「政府として基地負担の軽減に向けて結果を出していく決意だ」と述べると、参列者の一部は「嘘つけ」と罵声を浴びせた。「跡地利用の取り組みを加速させる」と訴えた際は「海を殺すな」との声があった。
沖縄観光が好調であると述べると「あんたがやったわけではない」と男性が声を張り上げた。発言終盤になると「辺野古を止めてから言え」「宮古に基地を造るな」「あんたの発言には心がない」など、次々と大声が飛んだ。
盛大な拍手と野次が入り混じる中、首相は自席に戻った。