4日公示、21日投開票の参院選で、日本青年会議所沖縄ブロック協議会(宮城匡会長)は3日、那覇市内で予定候補者の討論会を開催した。いずれも新人で、琉球大名誉教授の高良鉄美氏(65)と、シンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=自民公認、公明、維新推薦=が沖縄振興や米軍基地問題などを巡って激論を繰り広げた。
高良氏は重要政策の筆頭に米軍普天間飛行場の辺野古移設を挙げ「人権の問題だ。(政府が)反対の民意を無視する問題は、日本社会の中で辺野古だけではない」と指摘。子どもの貧困解決、消費増税反対、憲法改正反対も訴えた。
安里氏は重要政策の筆頭に新しい沖縄振興計画をどう描くかを挙げ、辺野古移設について「賛成か反対かの答えは平成で出ている。また蒸し返して県民を分断することがあってはならない」と指摘。政府に現状の厳しさを伝えると述べた。
沖縄振興計画について安里氏は振興計画改定が近づく中、国と県が対立する構図は問題だと指摘。計画策定の論議を早めるよう促した。
高良氏は、地元産業が競争力を持てるよう投資に力を入れ、若者の里帰りや移住を促進する施策を充実させる方針を示した。
社会保障制度について高良氏は、防衛予算を削減し「福祉に予算をつぎ込み、子育て環境を良くしていく」、安里氏は、行政改革を進め「安定的で確実な税制全体の見直しが必要」と指摘した。
少子化対策について安里氏は、県外移民者の子孫に3年間のビザを発給し、県内人口を増加させることを提案。高良氏は、子育て支援策の充実、最低賃金のアップや正規雇用化を挙げた。
沖縄の課題として、高良氏は米軍基地問題、安里氏は離島振興を挙げた。