県は23日、同日午前10時に八重山諸島南方沖で巨大地震が発生し、大津波警報が発表されたとの想定で災害対策本部を設置、運営する訓練を県庁と宮古合同庁舎で実施した。県庁内各部局や県警、陸自、空自、海保、消防、民間などの関係団体から約240人が参加し、図上訓練を行った。
訓練では、地震発生後30分で県が第1回災害対策本部会議を開催。庁舎4階の講堂に関係機関を集め、各地被害情報の収集や応急対策の立案などを行った。発生から約6時間後までの初動対応を確認した。訓練方式は、想定される地震や津波被害を参加者に事前に公開しない「シナリオ非開示型」で行われた。
訓練で想定された地震の規模はマグニチュード9・0で、最大震度は6弱。津波の高さは3㍍から6㍍以上。
参加者は、訓練開始後、時間の経過と共に状況が変化する中、適切に情報を処理、関係機関とやり取りし、対応策を検討した。コントローラーと呼ばれる訓練を管理する部門からの情報を基に、進められた。
訓練は午後3時に終了し、その後、振り返りが行われた。訓練は那覇空港が使えない状況で行われたため、米軍の嘉手納・普天間両飛行場を使用。輸送機など固定翼機の離発着を可能にするため、米軍との調整が必要など課題は残った。携帯電話などが不通になり、通信手段がなくなったため、衛星電話が必要になったが、県庁に設置されておらず、大きな課題とされた。
新石垣空港は、震災発生後に使用できないことが判明。対策本部は、新石垣病院に近い旧石垣空港跡地に拠点を設置し、県外の災害派遣医療チーム(DMAT)を派遣。連絡などをスムーズに行ったことが評価された。