沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)が8日午前、八重山地域での産業・地域経済の動向や公庫に対する各業界のニーズを把握し、相互理解を深めようと、「沖縄公庫・八重山経済チバリヨー懇談会」を市内ホテルで開催した。観光、建設、商工会などの代表者ら9人が出席し、各業界における八重山地域での課題や対応策などを共有し、川上理事長らと意見交換した。
八重山観光フェリー㈱の大松宏昭代表取締役社長は船の大型化に伴う船員などの専門人材不足を挙げ、「地元の高卒者を広範囲に採用するが一人前にするまでに少なくとも3~4年はかかる。教育システム構築に力を借りられれば」と話した。
クルーズ船の現状については「(観光客増での)地元のストレスは上がるが、日帰りの人が多いため消費単価が上がらない」と指摘。「飛行機で来島する観光客増加にも力を入れる必要がある」と訴えた。
上勢頭保竹富町商工会長は西表島の世界自然遺産登録について「先日はIUCNの調査があったが、西表への指摘もかなり厳しかった。また入島料は入域数の1%ほどしか入っていない」と強調。「どのように時間や場所の分散化を図っていくかを考えないと」と指摘し、「今後、一括交付金で町内各島に宿泊施設を作る予定」と話した。
黒嶋克史市商工会長は「港、空港のアクセス向上や美崎町の再開発などで今後10年間、石垣は右肩上がりだろう。竹富町を巻き込み、人がループする仕組みを」と主張した。
川上理事長は「全般的に人手不足が挙げられた。人口減・少子高齢化・後継者不足の流れがあるが、公庫では業界、行政と連携し、支援していきたい」と話した。
上記以外での代表参加者は次の皆さん。
▽市女性団体ネットワーク会議会長・大浜るみ子、副市長・川満誠一、八重山水産振興センター所長・仲宗根智、㈱みやぎ米穀顧問・宮城智一、宮平観光㈱代表取締役会長・宮平康弘、㈱米盛建設工業代表取締役社長・米盛博明