自治基本条例存続へ 1票差、与党の足並み乱れ 石垣市議会

自治基本条例の廃止条例に起立して賛成する与党(右側)と、反対する野党=16日午後、石垣市議会

 石垣市議会(平良秀之議長)12月定例会は16日の最終本会議で、議員提案の自治基本条例を廃止する条例案を採決し、賛成10、反対11の賛成少数で否決した。同条例は存続する。与党は「活動家が市政にアクセスする道をつくるものだ」(提案者の石垣亨氏)などと同条例の危険性を指摘したが、足並みが乱れ、同条例を廃止する全国初の事例は実現しなかった。野党は「不備があるなら見直すべきで、廃止は乱暴すぎる」と訴え、結束した。

 採決を前に野党が次々と反対討論。長浜信夫氏は「この条例は市民の民度を高め、意識を啓発するもので、地方自治の熟度を示す」と条例存続に理解を求めた。新垣重雄氏は「住民が中心になって石垣市をつくることを、なぜ議会が否定するのか」、宮良操氏は「(与党は)無責任だ」と糾弾した。
 内原英聡氏は「今こそ。改めて自治基本条例を読み直す価値がある」と述べた。
 賛成討論した与党の友寄永三氏は「この条例がなくても、どこの市でも市民主導の市政を運営をしている。全国的にも、この条例を制定する自治体はほとんどなくなっている」と同条例の意義を疑問視。
 砥板芳行氏は「条例のマイナーチェンジではなく、フルモデルチェンジするために廃止し、時代に合った新たな条例をつくるべき」と提言した。石川勇作氏は「この条例が本当に必要なら、他市が追随して制定するはずだが、そうなっていない」と述べた。
 採決では野党9人全員と、与党で公明の石垣達也氏、会派「未来」の箕底用一氏が反対に回った。
 中山義隆市長は議会閉会後「議会の投票結果を尊重したい」と文書でコメントした。
 与党は、同条例の「市民」の定義があいまいなため、同条例を利用して活動家が市政に影響力を及ぼし得ることを危ぐ。野党は、市民グループが同条例に規定された住民投票制度を根拠に市を提訴したことから「廃止の動きは住民投票つぶし」と反発していた。

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