八重山ゴルフ協会の高木健会長(75)は7日、八重山日報社の取材に応じ、株式会社ユニマットプレシャスが石垣市内の前勢岳周辺で計画しているゴルフ場建設について「自然と一体となったゴルフ場になる。ユニマットの高橋洋二会長の言葉を借りれば〝沖縄一のゴルフ場〟にしたい」と意気込みを示した。同協会はゴルフ場建設計画を巡り、ユニマットや市と情報交換を重ねており、9月には着工可能との見通しを改めて示した。
ゴルフ場の必要性について「観光関係者が石垣島を売り込みに行くと、必ず『ゴルフ場はあるか』と聞かれる。国際観光都市としてゴルフ場は必要だ」と訴えた。予定地に関し「市街地から10分の距離で、冬でも北風が前勢岳にさえぎられる。名蔵湾も一望できる。ロケーションとしては最高」と立地の良さを強調した。
ユニマット側からは、ゴルフ場完成後、プロの大会を誘致したいとの意向も伝えられているという。「トップ選手が石垣でプレーすることで、子どもたちに夢を与えられる」と期待した。
予定地は約127㌶で、コース周辺にホテルやヴィラハウスなどを配置する。予定地内のサガリバナ群落、イタジイ群落、ウガドゥカーラの沢、カンムリワシ生息地は、貴重なポイントとして保全される。「ユニマット社が要望を受け入れてくれた」という。
市は、地域経済をけん引する民間事業者の事業を国が特例的に支援する「地域未来投資促進法」(2017年施行)の制度を活用し、予定地の農振除外や農地転用を進めたい考えを示している。
ユニマット社は2015年にゴルフ場建設を発表したが、環境アセスや予定地の農振除外、農地転用が壁となり、着工が遅れた。
昨年夏、同協会が県側と意見交換を持った際にも、農振除外の手続きが期待したほど進んでいないことが判明。市から県、国へ申請を上げる通常の農振除外の手続きでは「間に合わない。ゴルフ場建設は遠のくと感じた」と振り返る。
高木会長らが市から地域未来投資促進法を活用する意向を聞いたのは、昨年9~10月ごろ。「一気に活路が開けた」と指摘した。
同協会は今月6日、中山義隆市長、大浜一郎県議、各経済団体代表らとともに記者会見し、9月着工のめどが立ったと発表した。
「『ゴルフ場ができる』というムードを市民の間で盛り上げたかった。5年余りかけてここまで漕ぎつけたが、実際に着工するまでは、まだ道半ば。協会の仲間ともスクラムを組み、必ず実現したい」