2019年度「組踊等教育普及事業」組踊ワークショップ(主催・県教育庁文化財課)が16日午後、石垣市立白保中学校(﨑山晃校長、生徒59人)で行われた。県立芸術大学琉球芸能専攻OB会メンバーの7人が同校を訪れ、全校生徒に座り方などの所作や「女物狂」での台詞「唱え」の方法を手ほどきし、生徒は伝統文化を楽しく体験、継承した。
ワークショップでは、OB会メンバーが組踊300年の歴史の概要を説明し、「唱え・音楽・琉球舞踊」という組踊の3要素を実演を交えて解説した。
生徒らは、舞踊では正座でのあいさつの仕方や座り方、喜びの表現を、「女物狂」(一部抜粋)を鑑賞後にはそれぞれの役柄の「唱え」の抑揚の調子などを、手本に倣いながら練習、舞台での実演に合わせて披露した。
紅型(びんがた)の色鮮やかな振袖衣装に身を包み、舞台で座り方と喜びの表現を実演した、2年生の樋渡心さん(14)は「一度やってみたくて手を挙げたが、足が痛くなったし、想像していたより所作が難しかった」と笑顔で話した。
OB会に所属する白保中卒の横目大哉(ひろや)さん(34)=那覇市=はワークショップを終え、「僕もそうだったが本島の文化に触れる機会は少ない。これを機に沖縄の歴史に興味を持ってほしい」と話した。
県教育委員会は組踊をはじめとする沖縄伝統芸能を学校教育に取り入れることで、児童生徒に郷土芸能への理解と関心を深めさせ、「心の教育」に寄与する同ワークショップを実施している。