【視点】首相施政方針 沖縄政策過渡期か

 例年に比べ、沖縄への言及が素っ気ない印象はぬぐえない。安倍晋三首相が通常国会初日の20日、施政方針演説をした。
 沖縄の米軍基地負担軽減には触れたが、具体的には2020年代前半の海兵隊グアム移転のみにとどまり、焦点である米軍普天間飛行場の辺野古移設には言及しなかった。必然的に、辺野古とセットになっている米軍普天間飛行場の全面返還という文言も消えた。
 普天間返還を国政の重要課題と位置づけ、政府を挙げて実現を目指す決意が、文面から読み取れなくなってしまった。

 辺野古移設は既定路線なので、あえて言及する必要はないのかもしれない。辺野古反対派が指摘するように、辺野古沿岸に存在する軟弱地盤の問題で、普天間返還の時期は当初予定よりも大幅にずれ込む。だが日米が繰り返し、辺野古移設が唯一の解決策であると確認した以上、茨の道であっても、やり遂げることが政府の責任だ。
 沖縄関連では、首里城の復元に向けた決意や、那覇空港第2滑走路の3月供用開始も盛り込まれた。いずれも安倍政権が従来から繰り返し明言してきたことだ。
 逆に言えば沖縄政策に関し、今年の施政方針演説は、特に新味がない内容に終始した。港湾整備などに関連して離島の八重山にすら言及していた過去の施政方針演説に比べると、温度差を感じざるを得ない。
 背景には普天間問題を巡り、悪化する一方の玉城デニー県政との関係があるだろう。昨年の衆院補選、参院選など、沖縄の主要選挙で自公が敗北を続けていることも、無関係とは言えまい。沖縄振興予算も目に見える形で減少している。
 今年の施政方針演説は、見方によっては、安倍政権と沖縄の関係の過渡期を表している。安倍政権が沖縄の理解を得ようと懸命に手を差し伸べてきた段階から、沖縄の変化への期待を失い、徐々に突き放し始めた段階に入ったようにも取れる。

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