「玉城知事、あわてないでください」―。焼失した首里城の再建を安倍政権に要請するため上京した玉城デニー知事に対し、下地幹郎衆院議員(維新)がメルマガでやんわり苦言を呈した。「県は復元にあたって自らの考え方をしっかりとまとめ、国との交渉へ入っていくことが大事」と指摘する◆「必ず復元する」と力強く語る玉城知事の姿は確かに頼もしいが、少し待ってほしい。この歴史的な悲劇で、県は単に被害者の立場なのか◆首里城の管理は2月に国から移管され、県は指定管理者の沖縄美ら島財団に管理業務を委託している。管理責任はまず同財団、最終的には県が負う。被害が広がった原因の検証、被害の全容把握などに何のめども立たない状況の中、火災翌日という猛スピードで上京する意味はあったのか。安倍政権は既に支援の意向を示しているのに◆知事は、再建の予算を沖縄振興予算とは別枠にすべきという声が上がっていることに対し「多くの県民も安心するだろう」とも述べた。その通りだが、予算は当然のように決まるわけではない。これから誠実に国民の理解を得ていきたい、という趣旨の言葉も聞きたい◆首里城の焼失は沖縄の非常事態だ。こんな時こそリーダーは右往左往せず、冷静沈着に次の一手を考える必要がある。