中国を中心に新型コロナウィルスによる肺炎の感染が拡大している問題で、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は27日午後、豊見城市の沖縄空手会館研修室で緊急会議を開いた。OCVBの調査では、現時点で中国人客のキャンセル数はクルーズ船関連が4件で約1万2千人、団体が58件で約1630人。関連する30社中6社のみの回答で、キャンセル数は今後、増加する可能性がある。
緊急会議にはツーリズム産業団体協議会27団体が参加。新型肺炎対策の取り組みや今後の対策について情報を共有した。
県ホテル協会の當山智士会長は「中国からのキャンセルは募集型・団体型に限られている。55%は個人旅行だが、もし沖縄で症例が判明した場合、沖縄は旅行地として選択されなくなる」と懸念した。
全国旅行業協会崎山喜孝沖縄支部長は「ウィルスがまだまだ中国全土に広がる懸念があり、収束の気配もない。最悪の場合、(中国からの渡航を)全面ストップすることを考える必要もある」と指摘した。
株式会社JTB沖縄の砂川健二部長は「中国から中長期で観光客が来ないと想定してアイデアを出さなくてはいけない」と述べ、県ホテル協会の當山会長は「中国市場以外の新たなマーケットの開拓にも目を向けるべき」と強調した。
県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は、会員以外のホテルで働く従業員から、上司にマスク着用を拒否された事例があることを報告。「(ホテル側に)本人がマスク対応を希望しているので許可するようお願いした」と述べ、関係団体には引き続き、マスク着用、消毒液などの設置、啓発ポスターの掲示などの協力を要請した。