石垣市の中山義隆市長は16日の記者懇談会で「ひめゆりの塔」に関する西田昌司参院議員の発言について認識を問う報道陣に対し、沖縄の歴史教育について「(自分は)偏向に近い教育を受けてきた」と述べた。具体的には、日の丸、君が代に関する教育を挙げた。
中山氏が本土の大学に進学した際、入学式の国旗掲揚と君が代斉唱時に、起立を拒否したエピソードを紹介。「小、中、高校で『日の丸に敬意を表するな』という教育を受けてきた。(起立しなかったのは)それがウチナーンチュのアイデンティティだと思っていた」と述べた。
国旗や国歌に関しては、成人後に認識が変わったという。
西田参院議員や、西田氏に同調した参政党の神谷宗幣代表の発言内容については、報道でしか知らないとして、論評を控えた。
ただ沖縄戦時の日本軍については「県民の殺害や、自決への関与があったことも事実だと思う。それだけが真実ではなく、逆に日本兵に助けられた人、自決を止められたと証言する人もいる。いろいろな局面があったと思う」と述べた。
沖縄戦時の状況について「極限状態で、必ずしも正しい判断ができるとは限らない。今の時代で、どこまで検証できるかは、なかなか難しい。当時のようにならないようにするのが今の我々の務めだ」と強調した。
西田参院議員は「ひめゆりの塔」の展示について「歴史書き換え」などと発言。県内では日本軍が県民を虐殺した歴史を否定しているとして反発が拡大している。