【視点】沖縄初の感染 観光への影響不可避

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が沖縄で初めて確認された。既に全国では感染拡大の兆しが見られており、13日には神奈川県で国内初の死亡者も出た。沖縄で今後10人、100人単位で感染者が増えても不思議ではない。
 国民一人ひとりが自分の身を守るため、感染予防対策の徹底を心がけなくてはならない段階に入っている。感染者が相次ぐようであれば、基幹産業である観光産業への影響も不可避だ。

 県内で初確認された感染者は、船内で感染が拡大しているダイヤモンド・プリンセス号が今月1日に台湾から那覇に寄港した際、下船した乗客を観光施設に案内したタクシー運転手だ。
 下船した乗客は総勢約2600人で、バスやタクシーで那覇市内を観光したとされ、今回の感染源が同船である可能性は極めて高いと言える。
 県は新型肺炎の感染が疑われるケースとして、発症前14日以内に中国湖北省に滞在していた人や、滞在歴がある人との濃厚接触歴がある人などを挙げている。
 しかし現実には、国内で中国の滞在歴がない人の感染も確認され、もはや滞在歴の有無は感染を疑う決め手ではなくなりつつある。中国関係者の感染リスクが高いのは確かだが、中国とは無関係な人にも感染の可能性はあることを覚悟しなくてはならない。
 政府の水際対策の限界も鮮明になった。政府は現在、武漢市を含む湖北省や浙江省からの外国人の入国を一部拒否する措置を取っているが、中国本土全体からの入国を対象に制限を掛けている米国などに比べると、やはり緩いと感じる。
 離島の八重山は沖縄本島に比べれば感染リスクは低いのかも知れないが、油断できないのは当然だ。患者が発生した場合は県立八重山病院に搬送されるが、伝染病患者を収容可能なのは3床しかない。これでは、患者が続出する事態になれば医療機関がパンク状態になる恐れがある。

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