「辺野古米軍基地建設のための埋め立て」の賛否を問う県民投票は、投票率がどこまで伸びるかが一つのポイントだ。「圧倒的な反対の民意」を示す数字として、昨年の知事選で玉城知事が獲得した約39万6千票が目安になりそう。米軍普天間飛行場の移設反対派としては、知事選の投票率63・24%を上回りたいところだ◆しかし自民、公明、維新は自主投票を決め、特定の選択肢に投票するよう働きかけをしていない。「反対」多数が確実視される状況の中、辺野古移設を容認する県民の中には「棄権を検討する」という声も多い◆米軍基地がない離島の宮古や八重山では、辺野古移設問題に対する関心がそれほど高くなく「投票率は低迷するのでは」との観測も◆そもそも今回の県民投票を巡っては、5市が一時、参加を拒否するなど、保守層を中心に「投票を実施することが、かえって普天間の固定化につながらないか」と懐疑的な意見も出る。苦渋の決断で移設を容認する保守系のある有力者は「投票に行ってほしいとも言えないし、埋め立て賛成に投票してほしいとも言えない」と苦悩◆投票権が民主主義の根幹をなす大切な権利であることは理解している。しかし手元に届いた入場券を前に、かつてないジレンマを感じているようだ。