海洋プラ問題の解決訴え 世界一周の調査船が初入国 石垣港

 世界を一周しながら、各国で海洋プラスチックごみ問題の解決を訴えている調査船「レース・フォー・ウォーター」号が24日、日本に初入国し、石垣港に寄港している。28日までの石垣島滞在中、海水がどの程度汚染されているか調べるため、サンプルを採取。今後は本州に向かい、8月まで日本に滞在する予定。
 同船はスイスに本部を置く「レース・フォー・ウォーター」財団が所有し、2017年、フランスから世界一周の航海を開始。30カ所以上の寄港を計画しており、大西洋、カリブ海、南太平洋の各国に立ち寄ったあと、フィリピン、香港を経て石垣港に達した。
 双胴船で、全長約30メートル、高さ約8メートル。動力は自然再生エネルギーで、512平方メートルのソーラーパネルを搭載し、リチオムイオンバッテリーを充電する。
 40平方メートルのカイト(たこ)の推進力でも船を動かせる。海水を汲み上げて水素を生成し、電気に変換する装置もある。化石燃料は使用していない。

 日本へは東京五輪に合わせた寄港。石垣島を皮切りに北上し、大阪や東京などの主要な港へ向かい、海洋プラ問題の啓発活動を展開する計画。
 乗員はフランス人ら5人。25日、取材に応じたフランソワ・マティン船長(40)は「台湾近くの海は透明度が高くて美しい」と石垣島の感想を話し「島は物資を島外から輸入しなくてはならない。パッケージに使われる廃プラスチックは島内で処分することが難しく、大雨で海に流出しやすい」と指摘する。
 乗員によると、廃プラは地中だと微生物によって分解されるが、海水ではそのまま残り、生物が食べたりして環境問題を引き起こす。
 アナベル・ブディノ副船長は「海洋へのプラスチック流出がこのまま続くと、2050年には海に住む魚のトン数と海洋プラのトン数が同じになると言われる。地球上は、南極以外はどこの国でも海洋プラ問題が深刻化しており、石垣島も例外ではないと思う」と警鐘を鳴らした。解決策として、廃プラを電気に変換する装置の普及などを提言した。
 石垣島で採取したサンプルは、国内の研究機関に提供する予定。
 同船の寄港を支援している特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン(東京都)のフィリップ・ピーティ副理事長は「海は悲鳴を上げている。沖縄も八重山も海が財産であり、この船を通じ、海を守るメッセージを伝えたい」と訴えた。
 同船は28日に沖永良部島へ向かう。本州の各港に寄港後、8月上旬にドバイへ発つ予定。22年に世界一周を終え、フランスへ戻る。

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