県内の主要12団体で構成される県経済団体会議(石嶺伝一郎議長)は10日朝、那覇市内のホテルで臨時本会議を開催し、新型コロナウイルスによる県経済への影響について議論。参加団体から、主要産業である観光産業だけでなく関連産業にも悪影響が出ていると報告が相次いだ。
沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は、空路国際線の運航が通常の2割程度まで落ち込んだと説明。入域観光客の7割を占める国内客減による更なる影響拡大を懸念し、単月で5割以下になる可能性も示した。また沖縄観光の安全宣言が重要であると述べ、「緊急プロモーションを大規模にやらないとⅤ字回復につながらない」と訴えた。今週中に対策を策定し、国や県に状況報告して、要請も考えていることを明らかにした。
商工会議所連合会からは、中小企業セーフティーネット資金の融資申し込み額が9日午後1時までに総額81億6000万円になったとの説明があった。国からの補助金が少ないため、同等の支援策を県に創設するよう求めたことも報告された。
農業協同組合中央会は、高級和牛の消費減少で子牛生産に影響があり、学校給食の停止で生乳消費も滞っているとした。また、最盛期である菊出荷の停止や、東南アジアからの外国人労働者の入国減少にも懸念が示された。
商工会連合会はセーフティーネット資金の融資申し込み額が5日で56億6千万円になり、観光業者が多い恩納村や北谷町の案件が増えているという。
漁業協同組合連合会からは、国外客向けのイセエビやカニなどの高級食材の単価が半値以下となり、組合の鮮魚直売店などで深刻な影響があると報告。コロナウイルスを抑制するという効果が報じられたアーサの注文が殺到しているとも説明した。
経済同友会からは恩納村や那覇市のホテル稼働率が20%前後になり、県内向けに宿泊額を値下げし一泊6000円程度になっていると説明があった。
建設産業団体連合会は、建築部品の調達が滞った場合に工期が遅れ、設備投資が下がった場合は事業延期や停止が起こると懸念があった。