新型コロナウイルス感染症の拡大を懸念し、石垣市の各小学校では児童には席を離して昼食をとらせるなど感染防止策を実施している。市教育委員会は2月28日、市内小中学校が臨時休校しないことを決めると同時に、昼食時も授業中の座席で食事することを各小学校に指示したためだ。
八島小学校(吉濱徳子校長、264人)6年1組の教室では通常は4、5人で1グループとなり、机を合わせて昼食をとっているが、2月29日以降、児童たちは授業中と同様の状態で昼食をとっている。児童からは「大げさなのでは」との声が聞かれた。
同小では教室の窓を開けて意識的に換気しているほか、図書館が1週間休館になったため、教員は授業で必要な30冊ほどの本を教室に持ってくるなど細心の注意を払っている。ただ、休み時間には児童同士は顔を合わせて遊んでおり、完璧な感染防止策の実施は難しい。
新型コロナウイルス感染に対する懸念は授業内容にも影響を与えている。このクラスでは算数の授業で公式をどれだけ早く言えるか児童が顔を合わせて競争させていたが、こうした指導もできなくなった。担任の川上雄司教諭(30)は「単元がひと通り終わった後だったので、まだよかった」と話した。
今月予定されていた児童対象のコンサートや、劇団四季の舞台鑑賞も中止となっており、6年1組の平田空生(あお)君(12)は「楽しみにしていた行事もみんななくなった」と残念そうな表情を見せた。