「当たり前の仕組みに」 民間委託全国3例目へ 西表救急搬送業務

グラフの数値は平成25年度から29年度の平均(防災危機管理課資料参照)

 竹富町は10日の定例会で、2019年度から進めている消防団救急搬送業務の民間委託事業について、救急搬送が多発する西表島西部地区で7月頃から業務を開始していく考えを示した。審議後、通事太一郎防災危機管理課長は取材に「島内外の関係機関に協力を求めたが、多くの関係者が『離島救急での当たり前の仕組みになってほしい』と期待する」と明かした。業務委託が実現すれば、宮崎県美郷町、徳島県勝浦町に続き、全国で3例目となる。
 同事業は20年度予算案が可決されれば、4月に契約。業務委託は段階的に導入する。
 20年度は民間からの救命士4人を配置し、平日・開庁時間内で対応。休日・時間外は搬送のみを行う機能別消防団員を編制し対応する。

 21年度は救急搬送業務を完全に切り分け、救命士10人で24時間対応の体制を確保する。
 22年度には業務実績を踏まえ、対象を西表島東部地区まで拡大し、島全域2拠点での体制を展望している。
 近年、西表島西部の急患搬送は平均35回で、町全体の40%を占める。医師不足や医者の働き方改革に伴い、島内2か所の診療所で時間外診療の対応に輪番制を敷いており、救急搬送時には各地区間の長距離搬送が発生している。
 民間委託は第一に、ボランティアが大部分を占める消防団員の過重な負担となる救急搬送業務を切り分ける目的がある。
 21年度に完全移行されれば、病院前診療の対処を向上させ医師1人体制という離島診療所の医療資源が効率的に活用可能となり、医師の負担軽減も期待される。
 また、委託実現は救急搬送という業種を町内にもたらす「企業誘致」という側面もあり、将来的には町の救急搬送業務への就職や医療体制構築による離島移住などの判断材料となることも期待される。
 20年度予算には3860万円を計上するが、町の歳出額計に対する消防費の割合は13~17年度平均で0.66%(約4677万)と1%未満。
 通事課長は「医療・防災にもっと予算を掛けていいはず」と強調。「民間救急を非常備消防離島での当たり前にし、その実績を国や県に発信し、体制維持のための財源が入る仕組みにしたい」と話した。

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