19年度9千万円超見込み 竹富町ふるさと納税 体験型返礼品で持ち直し

 竹富町(西大舛髙旬町長)のふるさと納税実績が持ち直している。町政策推進課によると、2019年度は2日時点での見込み額が約9110万円と、前年度比約2300万円の増額と想定する。19年6月、総務省は制度変更したが、地域の実態を無視した全国一律の「規制」に対し、見直しを求める声も聞かれる。
 ふるさと納税は2008年度から、「寄付金」と「税額控除」の仕組みを合わせた制度として開始された。
 町は15年12月からパイン、マンゴーの特産品をメインに返礼品をスタート。同年度は、過去7年間の平均、225件、約700万円という実績を大きく上回り、4051件、約6500万円に上昇。
 翌16年度は件数、額ともに過去最高となる5736件、約1億1437万円を記録した。
 全国的に返礼品競争が「過熱」し、件数・金額ともに下降したが、19年度、町は「体験型返礼品」を導入。
 ラグジュアリーホテル「星のや竹富島」の宿泊券や、航空券と宿泊がセットなったパッケージツアー「ANA旅作」などが奏功し、見込み額9000万円超と持ち直しつつある。

 今後は特産品の充実や自然体験型のメニュー、船舶会社と連携した船賃割引なども検討中している。
 小濵啓由政策推進課長は「送料などの事務費がかからない返礼品の開発にも一層取り組みたい。例えば、昨年暮れから実施しているANAのマイル付与や航空券割引など、オンライン上で可能なインセンティブの創出が考えられる」と話す。
 総務省は19年6月から▽返礼品の返礼割合は3割以下▽返礼品は地場産品のみ―と制度変更したが、「地方自治体の財政支出。各自治体で行うべきもの」「地場産品の基準や返礼割合3割の根拠が不明。全国一律の論拠が示されていない」などが指摘される。
 小濵課長は「過剰な返礼品などの制限等には一定の理解を示すが、事務費が返礼品の5割以内に制限することについては見直しが必要と考える」と強調。「都市部と離島・へき地では返礼品送料の負担額が異なり、寄付額PRに向けた広報活動費等の事務費が制限され不公平感がある。何だかの算定方法があってもよい」と話した。

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