「キャンセル増」「経営に打撃」 地元観光業界、窮状訴え 新型コロナ

 「2月は好調だったが、3月に入って旅行キャンセルが増えた」「海外クルーズ船のキャンセルの影響が大きい」。新型コロナウイルスの感染拡大で、石垣市の観光関連業者が経営に打撃を受けて窮状を訴えていることが市観光交流協会のヒアリング調査で浮き彫りになった。
 ヒアリングに対する各業者の回答を見ると、国内感染が活発化する前の2月は国内個人客を中心に好調だった半面、3月からの感染拡大で修学、団体旅行のキャンセルが相次いでいる現状がうかがえる。
 リゾートホテルは深刻で、大規模な宿泊予約の取り消しによって客室稼働率の落ち込みを訴えている。売り上げ減に直面し、人件費削減を検討するホテルもある。旅行会社、旅行代理店も「5月のキャンセルが出た」「終息の見通しが立たない」と先行き不安を抱える。

 クルーズ船の乗客を相手に営業している業者も悲鳴を上げる。2月から石垣港への寄港が軒並み予約取り消しになり、「客が30%減った」(焼き肉店)、「とても厳しい」(八重山タクシー事業協同組合)と嘆く。
 一方、「個人客が多く、前年並み」(レンタカー会社)、「客足は良い」(居酒屋)と感染拡大の影響を受けていない業種も存在する。
 卒業旅行の大学生を中心に感染の深刻な海外旅行を避け、旅先を石垣島に変える旅行者が一定程度いて、地元観光業界に持ち直しの動きも見られるが、「卒業旅行期間中の一時的な現象」(観光関係者)と楽観視していない。
 協会は2~3月、市内の観光施設や宿泊施設、交通機関など観光関連業者約35軒を対象に新型コロナウイルスの感染拡大による影響をヒアリング調査した。調査は感染が終息するまで続ける。
 協会の西仲野正巳事務局長は「同じ業者に時期を追って継続してヒアリングしているが、感染が広がるにつれて影響が深刻化している。感染終息のめどが立たず、影響は拡大する可能性がある」と述べている。

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