災害時の福祉避難所と市民などの交流施設とを兼ね備えた「結い心(くくる)センター」の開所から半年が経過した。フリースペース除く利用状況は、昨年9月からの6カ月間で513件、6911人(月平均85.5件、約1152人)。市が予想していた月間利用者数を2倍程度上回っている。ただ、避難所としての利用は3回と少なく、市福祉総務課は障がい者などを対象とした「宿泊訓練(仮)」などで、災害時対応の質を上げていきたい考え。
これまでに避難所としての利用は台風で2回、不発弾処理で1回の計3回のみ。災害発生の避難時には、障がい者が眠れない状況も想定されるため、同課は今後、関係機関と相談しながら「宿泊訓練(仮)」なども検討していく考え。
センターの敷地内には、下水道管路にあるマンホールの上に簡易な便座やパネルを設け、災害時の迅速なトイレ機能を確保する「マンホールトイレ」設置カ所が5つある。
東日本大震災以降、災害時のトイレ衛生対策の重要性が指摘されており、またトイレが感染拡大の原因となりやすいノロウイルス感染症対策にも応用できるため、マンホールトレイの訓練も考えている。
センターは、市内障害者就労継続支援事業所(A型、B型)の4団体が曜日別に施設内外の清掃を担当し、平日の職員勤務外時間と土日・祝日はシルバー人材センターからの高齢者が対応している。
同課の新盛克典補佐は「障がい者と高齢者が直接運営に関わっており、県外からの福祉コーディネーターや防災専門家などの視察も増えている」と説明した。
利用状況については、「予想以上に子育て世代の利用が増加した」ことなどを要因に挙げ、駐車場が有り、人目につかず、相談できるスペースがあることから、ガンを相談する場所としても選ばれているという。
交通の便については、「地域の人は足がないと来られないので、街中循環バスなどがあるとありがたい」と話した。