県都那覇市のメインストリート、国際通りが感染拡大を続ける新型コロナウイルスの影響で人通りが大幅に減り、閑散としている。中でも、観光土産品は客足が激減し、深刻な状況。右肩上がりだった沖縄観光にかげりが出始め、各方面にも多大な影響が及んでいる。
日本トランスオーシャン航空(JTA)の県内、県外路線も搭乗客の落ち込みが激しい。
11日、那覇から石垣に向かう621便の搭乗客は、座席数165人の3分の1に当たる54人と少なかった。客室乗務員の一人は「最近、私が乗った那覇―名古屋線では乗客がたった6人だった」と話した。
那覇市内で乗ったタクシーからも深いため息がもれた。「これまで空港から1日10数人の客を乗せていたが、最近は1日3人がやっと。妻子のいる乗務員はこれで生活していけない。一日も早く治療薬を見つけ、終息させてほしい」と顔を曇らせた。
国際通りに近い客室120人のホテルチェーンの予約担当者は「1~2月はプロ野球キャンプ関係者で全室満室だったが、3月は女子オープンゴルフの中止や外国人、国内観光客の減少で空室がかなりある」という。
芋を洗うような人出でにぎわう国際通りは、新型コロナウイルス感染症の直撃をもろに受けた形だ。
手持無沙汰で通りに立つ土産品店の女性従業員は「客は100%減った。時間帯によっては歩道にピンを立て、ボウリングができるくらい人影が消える時もある」と話す。
創業50年になる老舗の土産品店の店主は「修学旅行の生徒もいなくなり、国際通りはスカスカ。通りを歩くのは春休みに入った大学生くらい」とさえない表情だ。
どの店も売り上げが半減。開店と閉店を1時間遅くしたり、早めたりするなど営業時間を短縮している。
いつもなら中国系の客が多いドラッグストアも客足が減り、かつてのようなにぎやかさはない。
沖縄観光のバロメーターとも言える国際通りはいま、新型コロナウイルス感染症の大流行に伴い、大きな苦境に立たされている。(南風原英和)