県が13日夜、県医師会館で開いた新型コロナウイルス感染症専門家会議(座長・藤田次郎琉大教授)の第3回会合で、小規模のクラスター(感染者集団)が発生しているとの認識が示されたことが分かった。会合後、県幹部が報道陣に明らかにした。
県幹部によると専門家会議の委員は、3月末から4月初旬に来県した旅行者から感染した県民が、家庭内でさらに感染を広げる「2次感染」が始まっていると見ている。今月に発症した患者が多いため、「山はしばらく続く」との指摘も出た。
現場の医師からは「連続して重症患者が搬送された場合、負荷が大きい」と訴える声もあった。県は患者を重症者や軽症者に振り分ける体制を構築する。
重症者に投与される薬剤「アビガン」を県が一括管理する体制を求める声も出た。
会合後に記者会見した委員の髙山義浩医師は「1つのクラスターからではなく、多発分散で感染が起こっている。若いアクティブ(活動的)な層が小さな流行を起こした」と述べ、若者の活発な行動が感染拡大の一因との見方を示した。
東京都と比較すると、渡航自粛の要請で感染源の流入を絶てる可能性があるという。
現在の入院患者については「若いため、重症化のリスクは低い。高齢者を感染させない努力を県民が行えば、この危機は乗り越えられる」と強調した。