県は14日、豚熱(CSF)に感染した豚の養豚場から半径3キロ圏内の豚の移動を禁じる「移動制限区域」を解除した。県内での制限は、感染確認から約3カ月で全てなくなった。
玉城デニー知事は、この日の記者会見で「養豚は沖縄の重要な産業。関係機関と連携して振興を図る」と話した。
県によると、うるま市の養豚場で1月、沖縄では1986年10月以来の感染を確認した。その後、この養豚場も含めて計7例の感染が判明し、これまでに計1万2381頭を殺処分した。
県は3月から、沖縄本島の約17万頭を対象にワクチン接種を始めている。沖縄の希少な固有種「アグー」は、将来繁殖に使う計25頭をワクチン接種せずに離島に隔離した。
県内の豚熱は、先月12日に発生した7例目の防疫措置完了から28日が経過し、全ての農場で陰性が確認された。
1月8日日に1例目の豚熱が発生して以降、3月までに計7例の発生が確認された。殺処分は獣医師らが担当し、県や関係市町村の職員、JA、建設業協会、バス協会、陸自15旅団が支援した。
玉城知事は「移動制限区域の解除にあたり、支援を頂いた皆様に深く感謝を申し上げる」と一礼した。農家には、飼養衛生管理基準の遵守や食品残さの加熱処理、農場・車両の消毒徹底を呼び掛けた。異常豚を発見した場合の早期通報も求めた。
豚を殺処分した農場への補償に関しては、4農場が国との事前調整を行っている。県は手当金等評価チームの人員を増員。影響のあった71農家に対し手当金を支給するため、手当金の算定や評価を進める。
豚熱は、農家の通報遅れや非加熱の食品残さを飼料として豚に与えたことで発生、拡大した。