沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は21日、4月から7月まで4カ月間の観光推計を発表した。新型コロナウイルスの影響で、入域観光客数は前年同期比で306万人(87・2%)減、観光消費額は同2319億円(85・5%)減に落ち込むとの見通しを示した。
沖縄産業支援センターで記者会見した下地会長は「沖縄観光は打撃を受けており、影響も長期化している。非常に危機的な状況だ」と指摘。感染の第2、第3波も想定され「観光客が急激に戻る状況ではない」と指摘した。
現状について「観光客誘致をすぐには始められない」と述べ、県民の県内旅行を促進すするため「県に助成をお願いしている」と説明した。
石垣市は観光客の受け入れを6月から開始したい意向を示している。下地氏は「県内の旅行会社に市の方針を伝える」と述べた。
県外と沖縄を結ぶ航空便は、6月下旬から本州の地方空港と那覇空港を結ぶ「ローカル線」が一部で再開される可能性がある。だが首都圏と沖縄を結ぶ便の運航は7月以降も見通しは不明。下地氏は「6月から急激に便数が増えるとは思えない」とした。
海外路線では、台湾が10月以降に国際便を再開させる可能性がある。下地氏は「注目しているが、状況次第だ」と明言を避けた。
観光推計は、県や航空会社、宿泊施設の前年値などを基に算出された。