県は20日、イスラム教徒向けの食材「ハラール」や菜食主義者(ベジタリアン)についてのセミナーを那覇市内のホテルで開催した。有識者の講話やパネルディスカッションを通じ、今後増加が見込まれるイスラム教徒などの観光客に飲食店などがどう対応すべきかアドバイスした。
県は、タイやシンガポールから那覇への直行便が増えたことを受け、今後、イスラム教徒の観光客が増加すると予想。ベジタリアンの割合も台湾では人口の約13%(約300万人)に達するとの試算もあり、多様な食文化への対応が求められている。
セミナーでは、フードダイバーシティーの守護彰浩氏が講演し、ハラールに対応した高級な和牛が富裕層には人気だとも紹介した。台湾の観光客は沖縄のベジタリアン料理の情報を求めていると指摘。日本人が好む料理を野菜を使って真似た料理なども人気だという。
首里城公園の店長・平良智史氏と南都の支配人・田仲貴志氏も登壇したパネルディスカッションでは、実際にハラールやベジタリアンに対応した料理の実例を紹介。「最初はハラールに対応した料理を1品のみ出すなどして無理をせず、各事業所や企業がノウハウを蓄積すべき」と助言した。会場では「ハラール」対応のカレーが振る舞われ、参加者が次々に試食した。