予定候補者2氏が討論 県議選 初めてライブで配信

8つのテーマについて見解を述べる次呂久氏(右)と大浜氏=24日午後、ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

 29日告示、6月7日投開票の県議選で、立候補を表明している無所属現職、次呂久成崇氏(46)=共産、社民、社大推薦=と自民現職、大浜一郎氏(58)=公明推薦=が24日、石垣市内のホテルで公開討論会(主催・八重山青年会議所)一問一答とクロス討論を実施。ネットやラジオでのライブ配信も初めて行われた。新型コロナウイルス感染防止の観点から会場に聴衆を入れないという異例の形となった。
 【一問一答】①離島振興策②沖縄振興計画延長やその後の対策③脆弱な離島医療への打開策④人手不足や輸送費負担⑤教育への補助金増や学力格差是正⑥貧困問題の最大の原因と解決策⑦経済対策⑧県議会議員の定数。

次呂久成崇氏 医療と介護合体
 ①離島を視点とした振興策をとる。離島に住んでいても教育、医療が等しく受けられる環境作り。島をどうやって守るのかを考えていくべき。
 ②延長すべき。沖縄振興特別措置法に「沖縄の特殊事情に鑑み」とある。先の大戦で地上戦があり、米軍の占領下となり、本土との格差が生まれた。この特殊事情はまだ解消されていない。同法には「沖縄の自主性を尊重」ともあるが、辺野古の問題でも民意が尊重されていない。まだ同法の目的は達成されていない。
 ③医師・医療従事者の確保、機器の整備、搬送体制をどう整えるかが、今回掲げた「八重山モデル」にある。医療体制とセットで介護問題も考えるべき。医療と介護を一緒に考えないと、新しい打開策は出てこない。
 ④後継者育成も含め、それぞれの産業分野での人手不足の現状を正確に把握し、政策を打ち出して実現していく必要がある。
 ⑤離島にいても学びたい人が学べる環境整備が地域での人材を育てる。オンライン授業の導入は離島の学習環境整備の課題になってくるし、各島での定住化にもつながる。教育関連予算を組み入れる。
 ⑥先の大戦での地上戦、米軍の占領、本土との格差による社会的構造の違いが原因。この社会構造を変える必要がある。そのためには基地の過重負担の段階的軽減を政府が責任を持ってやるべき。
 ⑦県が観光で積み上げて来たものが安定した産業として繋がっていなかった。安定した観光産業を考える前提として、安心・安全に観光に来られる、迎え入れるための医療体制整備が必要。
 ⑧離島県であり島々も広範囲にわたる。議会で県政の課題を反映させるには、今の定数はそのままでいいと考える。

大浜一郎氏 離島振興ひと筋
 ①定住の条件不利性の解消や、政策医療への取り組み、オンライン教育の充実など、ありとあらゆる分野で本島との格差を埋めていくべき。
 ②再来年で復帰50年を迎えるが、沖縄振興特別措置法が目指していた景色にはまだなっていない。特に重要なのは高率補助、特例の税制などで、沖縄はそれらに支えられてきた。離島でも相当な恩恵を受けている。よく機能した税制、高率補助という特例を次の計画にも盛り込むべき。廃案になれば離島振興は厳しい。
 ③システム構築、連絡体制や情報共有の確立、医療機械の充実、医師・看護師のスタッフの拡充など、抜本的に改革が必要。特に小規模離島への医師の確保や感染症発症への対策についてシステム化する必要がある。
 ④各産業分野での担い手不足への対策を充実させる。経営者には雇用内容の充実、従業員を大切にしてもらう必要がある。
 ⑤県議会で派遣費補助が出来るように取り組む。オンラインやICTを活用した遠隔授業に力を入れ、子どもの多様な感性を刺激し、学力向上の意識付けにもつなげる。離島ならではの可能性がある。
 ⑥県の取り組み、国の支援の充実、特に親の就労支援を強化する必要がある。また県立高校の定員内の不合格者が多く、就学意欲が閉ざされることも原因。就学・資格支援や相談窓口の具体化が必要。
 ⑦現在は緊急対策が必要だが、中長期的には交流人口の増加が不可欠。そのため県、国の支援を要求する。航空・船舶会社、コンベンションビューローなどとも連携し、丁寧な誘致活動を展開する。
 ⑧離島県であり島嶼県。各地の現場の声を吸い上げるための数が今の数だと考える。削減への声は真摯(しんし)に受け止め議論すべき。 

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