新型コロナウイルスの水際対策強化に向け、石垣市は、新石垣空港で発熱が判明した到着客全員を県立八重山病院に搬送し、PCR検査の受診を求める方針を決めた。7日、中山義隆市長が市役所で記者会見し、明らかにした。空港には6日から市職員2人が常駐しており、既に新たな水際対策の運用が始まっている。中山市長は「機内で体調を崩した観光客が迅速に検査を受けられ、感染が拡大することを防げる」と強調した。
新石垣空港には県がサーモグラフィを設置しており、到着客を検温している。ただ発熱者が発見されても、実際にPCR検査に至る手順は明確化されていなかった。
6月から本土直行便が再開され、観光客の受け入れ再開が本格化したことを受け、市は各課の職員2人を3交代制で空港に配置した。サーモグラフィで発熱が判明し、その後の体温計での再測定でも体温が37・5度を超えた到着客に対し、市の新型コロナ対策条例に基づいてPCR検査への協力を依頼する。本人の承諾を得た上で、発熱者を空港に待機している専用車両に乗せ、八重山病院に搬送する。
八重山病院には市がPCR検査機器を設置しており、検体採取が午後2時までであれば即日、それ以降なら翌日結果が判明する。到着客には、結果判明まで自らが予約した宿泊施設で待機してもらう。PCR検査の費用は行政が負担する。
空港ではサーモグラフィの近くに、市職員2人が常駐するスペースを確保。到着客を運ぶ専用車両では、運転席と後部座席の間に仕切りを設け、運転手はマスク、ゴーグル、手袋を着用するなど、感染防止に努める。運転手は常駐職員とは別に確保する方向で調整している。
中山市長は記者会見で、観光客に対し「少しでも体調不良がある場合は、来島を控えてほしい」と呼び掛けた。