沖縄本島では25日、1日では過去最多となる14人の新型コロナウイルス感染者が確認され、在沖米軍でもさらに感染が拡大した。東京でも連日200人超の新規感染者が出ている。八重山を訪れる観光客が再び増加に転じる中、懸念されてきた「第2波」が沖縄に到来しつつあるのか。住民にも不安が広がった。
八重山地区医師会の上原秀政会長は「『第2波』が来たかどうかは、あとから振り返って分かること。現時点では判断できない」とする。
一方で「(4月以降の)『第1波』はまだ序の口だった。これから感染爆発は全国どこでも起こり得る」と指摘。「夏の観光シーズンに入り『GO TОトラベル』もあって、大勢の観光客が島に入っている。東京はキャンペーン対象外と言っても、都民が島に来ることが禁止されているわけではない。また感染者が出ることは十分考えられる」と厳しい見方を示す。
今後の対応については「住民は今でも『3密』回避や、マスク着用などに気を付けている。これ以上の予防策を求めるのは厳しい」と述べ、ある程度の感染者発生を見越し、必要な対応を考えるべきと提言した。
石垣市観光交流協会(会長・中山義隆市長)の西仲野正巳事務局長は「生命や健康第一だが、観光客の来島を止めると経済はガタガタになる。石垣では無責任に観光客を受け入れているわけではなく、ちゃんと対策を取っている」と強調。観光客に対し「自分が感染する可能性が高いと考えた上で、観光を楽しんでほしい」とマスク着用や3密回避などを改めて求めた。
さらに「今後、石垣で新規感染者が出てくる可能性は当然否定できない。市、県、政府と連携し、感染防止に取り組む」とアピールした。
石垣島北部地区に住む観光関連業者の60代女性は「できるだけ観光客に来てほしい気持ちもあるが、島内を出歩いてほしくない思いもあり複雑。観光客もかなり増えてきているので、石垣島でまた感染者が出るのも時間の問題ではないか」と危惧。「とにかく恐い」と声を落とした。