竹富島の来島者に任意の協力金として300円を徴収する、入域料の導入を進めている竹富町は20日、12月議会での入域料条例の上程を見送った。徴収の窓口となる船会社の合意が得られなかったことが理由。今後、改めて船会社との協議で内容を詰め、3月議会での条例制定を目指している。入域料は当初計画では2019年4月スタート。
同条例案の正式名称は、「地域自然資産法による地域自然環境保全事業及び自然環境トラスト活動促進事業に関する条例」。
船会社との協議は、20日の第2回竹富町航路事業連絡調整会議の中で行われた。
入域料を徴収する際、船会社は料金を収受する窓口となることが義務付けられる。担当する政策推進課によると、船会社としては料金徴収の煩雑さがネックとして上がったという。
通事太一郎課長は今後の進め方について、▽船会社との協議体制の強化▽船会社の現状把握―など調整を重ねていく方針。
入域料徴収に関してはこれまでに、竹富島地域自然資産協議会を4回開催し、地域計画案を竹富町長に答申した。
地域計画案の概要版も確定している。入域料徴収は地域自然資産法に基づくもので、町民らを除いた竹富島に入域する全ての人から任意で300円の入域料を徴収する。
入域料は、地域自然環境保全事業などに活用されるが、3分の1は自然環境トラスト活動に充てられる。
活動主体は今後設置予定の法人。竹富町は事業実施主体で、船会社は同町から業務委託を受ける。船会社が法人に入域料を納金し、手数料を受ける仕組みとなっている。