竹富島の自然環境や景観の保全を図るため、島に入る旅行者らから1人300円の入島料の支払いを受ける制度が1日、導入から1年を迎えた。総収受人数は3万8192人で、収受率は1割台に留まった。制度を運営する竹富島地域自然資産財団の運営状況は厳しく、周知にも課題が残るが、財団職員らが手売りの直接販売を実施し、4日には財団HPに英語ページを開設するなど、奮闘を続けている。
財団によると、7月末までの入島料の収受率は12%。旅行者ら100人のうち12人しか提供しなかった計算となる。
制度の始まった昨年9月1日から今年8月末までの1年間の総収受人数は3万8192人で、収受総額は約1145万円となった。
昨年9月、収受人数は3445人だったが、12月25日以降は券売機だけでなく、財団職員と地域おこし協力隊が竹富島のかりゆし館で手売りの直接販売を本格的に開始した。
1月は5000人を超え、3月には6402人と増加。直接販売が収受人数全体の4割を占めた。
しかし新型コロナの影響で旅行客が激減し、4月は682人、5月は13人、6月は392人と大きく落ち込んだ。
直接販売はコロナで休止していたが、7月24日、マスク着用など感染予防対策を徹底して直接販売を再開。7、8月と2500人前後で推移している。
さらなる周知が依然として求められる中、財団は今月1日、収受開始1周年を記念してチケット購入者への返礼品として機織りで使用していた染糸で作ったストラップを数量限定で贈呈し、4日には、HPに英語ページを開設した。
町政策推進課の地域おこし協力隊、三好辰之進さんは「コロナの影響などで、未だ入域料の収受率は来島者の1割程度だが、チケットを購入いただいた皆様の心への感謝と共に、今後も活動を頑張っていきたい」と決意を新たにした。
入島料は地域自然資産法に基づき、島の自然保護活動を充実させる財源を得る目的で制度化。地域自然資産法を根拠とした徴収は全国初となる。