石垣市は県獣医師会の協力の下、27日から約2週間、犬の狂犬病予防集合注射を開始した。狂犬病予防法では犬の飼い主に対し予防注射の義務を定めるが、市の予防注射実績は昨年度50・4%と、過去70%超の全国平均を大きく下回っている。
狂犬病は狂犬病ウイルスの感染による人と動物の共通感染症。
人が発症した場合の致死率は100%で、全世界で毎年3万5千~5万人程度が狂犬病で死亡している。現在、発症後の有効な治療法はない。
市の犬の登録件数は25日現在、3289頭。
狂犬病予防法第5条では「狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなければならない」と定められているが、市の予防注射実績は2019年度に50・4%と、過去実績で70%を超えている全国平均を大きく下回っている。
県内市町村別でみても、19年度実績で70%超は41市町村中9自治体のみで、市は28番目に留まる。
19年度県平均は51・6%、八重山では竹富町53・4%(23番目)、与那国町34・0%(39番目)だった。
市は27日午前、中央運動公園第2野球場北側駐車場で犬の狂犬病予防集合注射を行なった。
市環境課の識名量史さんは「やっと50%を超えたが、狂犬病を広めないためには70%以上が必要」と強調。「県は全国的にみても注射率が低い。八重山に近い台湾は狂犬病発生地域なので、八重山で抑えるためにもご協力を」と呼び掛けた。
28日以降は、各地区の公民館などで順次実施される。
市は毎年6月頃に開始しているが、今年は新型コロナの影響で時期がずれ込み、この時期での実施となった。